東京ゴッドファーザーズ

 行く暇無いかなあと思ってのが、今日あると思ってたバンドの練習が来週の思い違いだったのが判明し急遽行けることに。映画見るの久しぶりだなあ。関西一映画見ない映画研究部員(非幽霊)を自称している僕であります。でもこれは音楽がムーンライダーズ鈴木慶一さんというのもあってやはり見ておきたかったのです。
 見た感想、面白かったです。噂通り。ご都合主義をご都合主義のまま受け取って気持ちよく最初から最後まで見れる。とても良作だと思いました。今敏氏の作品を見たのはこれがはじめてだったけど、流石の出来だなあ。他のも見てみたいな。ほんで半分目当てだった音楽、ライブでも数曲聴いてたりしたわけだし、映画そっちのけでBGM探しに熱中してしまいそうなもんだけど、これが全然気にならなかった。でも音がなったらなった瞬間、お、良いなと演奏がムーンライダーズであることも忘れて自然に思ってしまう。ってことは完全に映画のBGMとして完成しているという事で。ちゃんと見せる映画も聞かせるBGMもきっちりバランス良く実力が感じられたと思う。
 舞台がクリスマス〜年末時期というのもあるんだろうけどベートーベンの第九があっちこっちで使われていて、ラストは慶一さんが勝手に歌詞つけたりしたのを歌ってるんだが、これがライブで聞いた時も思ったけど、訳詩じゃんくて、むしろ原曲とほぼまったく逆の意味で歌詞書いてるんだな。わざわざ。「お前と俺とは赤の他人だ さあカリブの海でラムを一杯やろう」絶対狙ってるよな。でもこの歌詞、映画の内容、舞台設定、わざわざ第九を使うという意味、ムーンライダーズが、慶一さんが歌うという意味、どこから見ても、不思議と破綻してない。アニメや漫画における第九自体は使われすぎてもういいよってとこもあるんだけど、これはなかなかにスマートな使われ方してたなと思う。貫禄。
 そんなわけで満足しました。めっちゃ感動した! ってタイプの映画じゃないんだけど、普通に気持ちよくなれると思います。大阪じゃもう終わっちゃうけど、気になる人は見てみては。しかし、なんだかんだで映画のBGMというのは映画を見てないと結構どうにもならんよな。なんだかんだでライダーズのライブで見た時の曲は、第九以外全然ピンと来なかったので。今はそれぞれ良い曲と思えたりもするんだけど。
 今回はそういうこと全くなかったけど、そういや映画見る前から曲知ってて本編見てもBGMばっかり聴いてて作品といえばman-h……や、何にもないです。