こうの史代"ぴっぴら帳(ノート)完結編"

 CDはほんま最近買ってないのだけど、漫画はちょいちょい、というかかなり買っています。その中で一つ待ちに待った作品が。二巻出るまで何年かかったんだろう? でもきちっと完結して最終巻が出てました。高校時代から読んでましたよ。待ちに待った、「ぴっぴら帳」。
 ここ最近四コマ漫画の流行具合は破竹の勢いですが、これだけはなんだか別世界に居たような、それでいてしっかり評価を受けていた(事実七年も連載続いた)作品ですよな。ただインコとインコ好きなお姉さんのお話なんだがレトロというにも妙な生活を、現代と言っても頷いてしまうような自然さで描きあげてしまう。今時女の子があんな長屋みたいなとこに住まないだろうとか、あの勉三さんみたいなキャラも無いだろうとか心の隅には思いながら、読み進めるのには全然違和感が無い。センスというのでもない、純粋に凄い力量だと思うんですが。
 しかしこれ、発売から随分経ってるのになぜ今更買ったかといえば、長い間バイト先に入ってこなかったからです。品切になってるわけないし、客註切るのもなあ…と思い入荷待ってたらこんなことに。しかし、ほとんど新刊のはずなのになんで差し1……池袋ではサイン会までやっとんのに! 同じ系列でも店舗違うだけでここまで違うのですなあ。そういや、同じくバイト先で以前に「店員のお気に入りの本を二冊選んで客に勧める」ってフェアやってたんですが、僕が選んだのは「ロングシーズン」とこれでした。ロングシーズンはまだ反応あった(フィッシュマンズ好きなの? とか)けど、こっちはそういやまったく無かったのう。コミック担当の人にすら。絡みづらい作品か、確かに。更に突っ込むと、ここの日記のタイトルもこの作品から取ってたりします。読み方も本当は「とびざかなのーと」とややこしい、なんていういらん裏設定まであります。証拠は上記に貼ってるamazonアソシエイトのリンク先とかにも。いやまあ、そんだけ好きなんです。終わってすっきりです。「こっこさん」とかも早く単行本にならんかねえ。


 ついでに「待ちに待った」でもう一冊。

 こっちは最早二巻も出てとても良いペースで連載続いてるので今更感もかなり高いのだけど。でもこの人が漫画復帰して嬉しい人も多いんじゃないでしょうか。絵はあんまり上手くないしくどい話も多い、でも独特な台詞やストーリー展開のテンポは絶対この人しか出来ないもんだよなあ。そこらへん、「かおす寒鰤屋」とかのころとまったく一緒。一緒過ぎ? でも大好きだ。漫画家やってなかった間こんなとこにも顔出してたみたいだけど、漫画に帰ってくれて1ファンとしてはとても嬉しいです。ってか大河原遁氏はキーワード登録もされてるので、僕がなんだかんだ言うよりこっち見てもらった方が早いか。