"散らかったユウウツと赤い月"

散らかったユウウツと赤い月
 ファミレスレコードを打ち立てた途端に"YORUMANIA"、"YORUMANIA FULL"という大傑作を世に出して今後どうなるのかとドキドキしていたところ、一年半かかって出たのはトモさん自ら「プチアルバム」と銘打った小品。ミニアルバムの作りが上手いトモなので期待しまくったものの、これはちょっと拍子抜け。テーマが「ユウウツ」だからかな。トモさん自身の悩みが詰まったような、とにかく全体的に暗い雰囲気の漂う作品。インスト以外の「ユウウツ」の名前が付く曲はどうもあまり繰り返し聞けないなあ。曲自体もシンプルといえばシンプル、でもどこか悪い意味でシンプルな感じがする。この歌詞ではどうしようも無かったのかも知れないけど。対して、インスト二曲は滅茶苦茶良い。特に「赤い月」はヒット。これが真ん中にあることでなんとかアルバムが纏まってる感じ。歌者では「アイタイヒトトダケ」だけは好きでもないのにふと口ずさんでしまうような麻薬感に溢れる。麻薬感というよりトモフスキー感というか。このトモ感があふれる曲とまったく無い曲が激しいアルバムという印象。