初夏のまどろみ@烏丸MOJO

 昨日はナポレナポレを見に京都へ。前回5月のライブも多かったけど、今回はまた京都なのに大阪からの参加者が多く、良い感じで広がってるなーと嬉しくなる。ナポレほど、一回一回のライブの反応が客数として反映されるバンド、あんましらんなあ。
 今回は五バンド出演、その中で全部が全部良かったです。珍しい。この手のライブイベントでは、一つは苦手なバンドがあったりするんですが、今回は皆が皆楽しめた。一発目エテナクスは、ピアノ、ベース、ドラムのスリーピース。曲も歌詞もさわやかで、一曲目などはちょっと眼前に湘南の海が浮かんだりした(たぶんそういう歌ではなかったとは思うのだけど)。ああいう若々しい歌詞は苦手ではあるけど、三人がガッチリしてるというか、方向性がきっちりしてる感じがして好感もてまして。最後まで感心しながら聞いてました。曲続いてShamony。民生系くされポップス? これが格好良かった。調だけなら、今回初めて見たバンドでは一番好きだったなあ。必要以上に客に振るのはあんま好きじゃない僕ですが、あそこまで食い下がる根性はすごい。ボーカルのキャラも微妙な立ち方で、ああいうのも好きだなあ。
 で、ここまでも良かったものの、ここから三つが物凄い。ケンさんもお勧めminiture garden。滋賀で一度聞いたことあったけど、ゆっくり聴けなかったんで。まともに聴いたのはほぼ初めてでしたが、ジャズとポップの相の子のような。でもフュージョンとかではなく、アシッドジャズ? ラテンジャズ? かと思えばポップ? めまぐるしく変わる音楽観。それもバンドの色は残しつつ、印象だけがらっと変えてる。どの曲も音厚いし。やるなあ。ピアノ、ギター、ベース、ドラムに女性ボーカル。編成はナポレと同じですが、キーボードの存在感がかなり違ってて、面白い。ほかのメンバーも物凄いキャラ立ちで、声質も声量もすばらしい、ストレートに華やかなボーカルさん。ギターさんのニヒルな笑みと、ベースさんの渋くて激しいノリ、そして何より終始笑顔のドラムさん。格好良いわ。音源買っても良かったかも。今度機会があったら買おう。ところで演奏中、自分の斜め前で一人物凄い踊ってる人がいるなあと思ったら、リーダーでした。腰の動きが凄かったです。続いて東京からはるばる来たという、ジムノペディ。和風ぽいジャズロックバンド。演出が演劇っぽくて、こういうのって鼻につくことも多いのだけどこの人らは上手くやってた、というか、ボーカルさんの目がイっちゃって、時々鳥肌立つくらいに。あっこまで入ってやれてたら凄いよな。「台詞を聴いてほしい」ていうより、ホンマにどこ向かって言ってんの、って感じが良かった。ライブ告知でいきなりサックスさんが棒読みでしゃべりだしたのも良かったです。ところで演奏中、僕の斜め前でほっかむりした昔ながらの泥棒みたいな人が座ってるなあと思ってたら、のりさんでした。そういや五月もサムエだったなあ。お好きなんですね。
 そしてトリ、我らがナポレナポレ。前2バンドが音が厚いバンドだったので、どっちかというとソフトなナポレがここに来て大丈夫かなあとか思ってたけど、開始直後によりこさんが「こんにちは! ナポレナポレです!」張り上げられる声にびっくり。気合入ってる! いつもどっちかというとシャイ目な印象を受ける(特に始まってすぐは)彼女の喋りですが、今回は入りから凄い堂々としてる。それで始まった一曲目「青い傘」。うわあ。「青い傘」、「tiny days」はこれまで新曲扱いだったというのもあったのか、ライブでは真中あたりに配置されてたけど、「青い傘」の入り、一曲目には最適だなあ。と改めて。もう大分曲として完成されてるし、これは一曲目の定番としても持ってけるんじゃないかな。続いて「tiny days」、「Sunbreak」とロック調二曲。スゲー。このライブで初めてナポレ聴いた人がいたとしたら(したらって隣に居たんだが)、その人の印象は僕が持ってるナポレのイメージとは大分違ったものになるんだろうな。でもそれだけに、客を掴むには持ってこいでは。四曲目「トカゲ」。五月もやってたせいか、最近この曲聴くの多いなー。暗い目のナポレではかなり好きな曲なので嬉しい。福島さんが渋い曲。そういや福島さんが二つキーボード使ってるのみたのって、久しぶりな気がする。見落としてただけかな。五曲目は新曲、「雨雲気取り」。流石に初めて聴くだけあって記憶あやふやだけど、久々にまったりナポレの新曲ですな。まったりの中でも爽やかさがあって。ナポレの曲って、「まったり」「暗い目」「ポップ」「ロック」という方向性が結構極端な場合が多いと思ってるので、こう気軽に聞ける曲は良いなあと。そしてラストはもう定番か、「Babycat」! さあ来たぞ来たぞ! 最近のナポレのライブはある意味これを聞きに来てるようなもんで。今回はどう来るかなあ。聴いてると、やはりというか大分演奏がどっしりした感じ、ギターはちょっと控えめだったのかな。福井で聞いたキャリキャリした音が印象に残ってるもので。Bメロでテンポがちょっと遅くなるあれは仕様で良いんでしょうか(曲調のせいで勘違いしてるのかもしれんけど)、それだけにサビで弾ける感じがあって良いなあと。個人的には、前回のバナナに続く気に入った演奏だったんですが、まあ色々あったのか、僕の位置からはリーダーが良く見えまして、顔見てるとわかっちゃうのが。別にアレで押し通しても通じると思うんですが。勢いはあったんだし。のりさんや福島さんはどんな顔してたのかなー。あの位置からだとお二人がなかなか見えなくて残念。で、この曲でやはり一番印象的だったのは、ボーカルさんが目茶上手くなってますな。音とるのが難しい曲なもんで、ちょっと前までは「頑張って歌ってる」感があったけど、流石回数こなしてるだけあって凄く自然に歌えてました。他の曲でも声が掠れたりするのが逆に良い具合で、最近はこれが「絶好調」でなく「普通」になりつつあるんだろうか。格好良いです。
 というわけで満足。前回バナナホールで聴いたナポレは物凄いオーラが出てまして、箱の音が良かったのもあるのか、これが大きいライブハウスでやる効果なんやなあとか思ってたんですが、今回MOJOで見てやはりオーラは見え、確実にバンドとして「肥えてきてる」と再確認。「サイコロ」が出る直前なんかも良くそういう印象を受けてましたが、あの時より立ち振る舞い等含めてさらに一回り大きくなってるように感じられました。自分が見た限りでは、「BIGHOPPER」中心の時期、「ソニア」中心の時期に続く、成熟の第三期といった感じ。帰りに二宮さんが、「彼らはあのままプロになってしまうんだろうなあ、と思って見てたよ」って言ったのが印象的でした。本当にそういう感じだったもんな。そんな彼らの8月関東ツアー、最終日はうちのイベントですよー。彼らの演奏に負けない舞台を作らなくては。マジ頑張ろう。


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