ボウリング・フォー・コロンバイン

 やっと観た。
 劇中最初から最後まで既視感の嵐。被害者遺族のデモ、わざわざそれを挑発するかのように集会を開くNRA、作るわけではないが、ニュースを「選ぶ」TV局、結果的に流れるのは黒人犯罪、それを見てまた不安を覚え、武装していくアメリカ市民。その内容のほとんどを、今のどこかの国に置き換える事が可能。
 内容自体は前評判だけで充分カバー出来る程度のもの、映像をみせる作品じゃないため多少カメラが荒いのは充分許せるし、ちょっと演出過剰かなあと思えるほどの引用もまだ許容範囲。ちょっとズレるともの凄い嫌みな作品になってただろうなあ。そこを巧く回避してるのは、ムーア氏の経験の賜物なんすかね(パンフみて知ったけど、見た目より大分年食ってんのなあの人)。
 個人的には好きな作品です。なんだかんだで、やろうと思ってもなかなか出来るもんじゃないよなあ。その上ある程度結果を出しちゃってるのはやっぱりすごい。